ルソー『孤独な散歩者の夢想』 

孤独な散歩者の夢想 (岩波文庫) 孤独な散歩者の夢想 (岩波文庫)
今野 一雄、ルソー 他 (1960/01)
岩波書店
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この記事ではルソーの告白と、日本のWeb表現について比較する

皆さんは、善行と悪行についてどう考えますか
つまり、「悪」を自分は行なったことがないと、天地神明にかけて、いえるかということ
「わたしは善を行なったことはごくまれにしかないと言ってもいいが、悪事はといえば、それは生涯のあいだわたしの意志にはいりこんだこともないし、じっさいにもわたしくらい悪いことをしなかった人間が世の中にひとりでもいるかどうか、わたしは疑わしく思っている。」(第六の散歩、今野一雄訳)

ポジティブですね
羨ましい
ぼくは悪を行なったことがあるな
「わたしくらい悪いことをしなかった人間が世の中にひとりでもいるかどうか、わたしは疑わしく思っている」なんて、口が裂けてもいえない

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高所 

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大西巨人『神聖喜劇』を読む会 

神聖喜劇〈第1巻〉 神聖喜劇〈第1巻〉
大西 巨人 (2002/07)
光文社
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「必読書「150」を読む会」主催により、大西巨人の『神聖喜劇』を課題図書とした読書会を行います。
開催日時は9月2日(日)の13:30~16:40です。
場所は法政大学市ヶ谷校舎、大学院棟701号室です
どなたもお気軽にご参加くださいませませ。


筒井康隆『文学部唯野教授』 

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸) 文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)
筒井 康隆 (2000/01)
岩波書店
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大学教授たちが学内政治に奔走する様を描いたドタバタ喜劇
立派な先生たちが、おしっこをもらす
何かあるとすぐ、失禁する
もらしすぎだ!
 

谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』 

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫) 涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
谷川 流、いとう のいぢ 他 (2003/06)
角川書店
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「革命」という言葉と、この『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品が、セットになって登場しているのをWeb上で見かけた
さきほどのこと
二度目のことである
一度目のものと二度目のものは、異なるひとが行なっていた


ルソー『人間不平等起源論』3 

不平等論―その起源と根拠 不平等論―その起源と根拠
ジャン=ジャック ルソー (2001/11)
国書刊行会
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○戸部松実訳、ルソー『不平等論』
戸部松実によるルソー『人間不平等起源論』の新訳
とても読みやすく、分かりやすい
しかし、狂ったように長くて緻密な訳注と主要概念解説がついている
あっちにいったり、こっちにいったり、ややこしい
繰り返し読み込む気持ちでかからなければ、戸部氏の気迫にやられてしまう
良書だが、体力を使う
普通のかたは、岩波文庫版でも良いかもしれない
ただ、歴史的文脈をわきまえなければ、『人間不平等起源論』は理解できない
岩波文庫版はよく分からなかったが、戸部版『人間不平等起源論』で、ようやくその魅力に気付きました

ルソー『人間不平等起源論』2 

○進化論
ルソーの『人間不平等起源論』には、類人猿は未開人に、未開人が現代人に進化してきたという進化論めいたものが見てとれる

ダーウィンの進化論は1859年だが、それに先立つ百年以上前(1755年)に、進化論的な発想を持っていたことが驚き

当時のジュネーブ共和国から、離れた地域
未開人(ホッテントット等)、類人猿(オランウータン等)の見聞録
それらの資料をつかって「歴史」を想像している

空間の広がりを、歴史的広がりへと垂直に転倒させることで、ルソーの自然状態論は作られている

古代ギリシャより「今」の方が進歩している
ということ、歴史の進歩という概念は、当時でももちろんあっただろう
『人間不平等起源論』は「歴史における進歩がある」というアイディアが、生物における進化がある、という観念へと接続しそうで、接続しない、ギリギリの境にある

○聖書、プラトン、ルソー

聖書におけるアダムと、自分のいう自然状態は異なるのだということは、ルソー自身『人間不平等起源論』で繰り返し語っている

また、戸部松美によれば、ルソーの「自然状態」は、キリスト教的であることを退け、プラトンのイデア論に近いのだという

実際、古代ギリシャの神に言及しているところもあり、プラトンの『国家』との影響関係も大きそう

しかし、総体としては、聖書における「エデンの園」と「堕罪」という神話が、ルソーの「自然状態」論の背景を支え、それがあるゆえに、こういうものが書かれ、こういうものが読まれたのじゃないのという気がする(論証には手続きが必要)

『人間不平等起源論』=生物学+文化人類学+キリスト教+プラトン

類人猿→未開人→現代人

という発展の図式は、『人間不平等起源論』の中に見られる

これは、アダム→ギリシャ人→当時のフランス人
という図式と、不整合を起こしてもいるだろう

どうやって、当時の人々は、不整合に目を瞑り、自己を納得させていたのか不思議でもある

○「自然にかえれ」と「動物」

ルソーは哲学的な知性を批判し、「自然の状態」を肯定する

ルソーの哲学批判、理性批判および、ルソーの社会制度における教育論と自由論をどう評価するか

ルソーは親動物的、といえるか

ルソーの動物観は、どのていど西洋において一般的なものであったのか

ルソーはある種、ナチュラリストのはしり、みたい
「自然の状態」にある人間を特徴づけるのは、「憐憫」と「自己愛」である

ルソーにおける自然は肯定的なイメージである

たとえば、漱石や埴谷の小説における「自然」という語と、ルソーの「自然」の関連はどうか
ゾラの自然主義との関係はどうか

キリスト教の「自然状態」は「神の恩寵」を欠いたという内容を持ち、悪い意味である

Aホッブズ、キリスト教神学の自然状態はネガティブな意味

アダム
→堕罪
→自然状態(=ホッブズの自然状態、戦争状態)

Bルソーにおける自然状態は、ポジティブなものからネガティブなものへと段階的に移行する

エデンの園的なもの=自然状態1=理想的なもの
→堕罪
→自然状態2(=戦争状態)

ギリシャの「自然」は生成発展するものであり、肯定的なものである
ギリシャの「自然」には、ネガティヴな意味はない

ルソーが、ギリシャ的な概念を導入しつつ、「自然」という言葉を肯定的なものへと変えたのだろうか
ルソーの論が当時の社会に受け入れられる下地があったのか

○なぜ、「不平等の起源」を語る文脈で、「言語の起源」もまた、同時に語られねばならないのか?

○恋愛
自然状態において、セックスはあったが恋愛はなかった
「恋愛」とは何か
ルソーにおいて「恋愛」が必ずしもポジティブなものとして語られていないことに注意する

○「悟り」と「革命」
「自由」で「平等」で「言語の存在しない」のが「自然状態」
すべての人が、そのような状態で生きている世界への理想

たとえば、仏教に対する通俗的な批判として、「坊主が増えれば国が傾く」と言われる
正しい
「悟り」というものは個人的なものに過ぎない

しかし、ルソーにおける「自然状態」とは、すべての人が解脱している世界に見える
すべての人の「悟り」というのは、「革命」のビジョンとして面白い
世界の全人民が、一度に、ニルヴァーナに達した世界が、ひょっとしてありうるのじゃないかと感じさせるところ
人類補完計画
そこに、『人間不平等起源論』の一番の面白さがある

白米は 

天国へ行けるのか
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OL三国志 

現在、私は面白いWeb文芸を求めて、あちこちを探訪中である
「行者のログ道☆迷い道」というブログの「OL三国志」をいう作品を読む

「OL三国志」は会社で働く女性達の群像を生き生きと描き出している、ブログ連載小説だ
あちこちに、経済・経営に関する小ネタが挟まり、この分野に関する豊富な知識が書き手にあることを感じさせる
OLの描き方にリアリティがありつつも、ポップでユーモラス
また一方で、クラシックな文学的教養も書き手にあるようで、文章に花を添えている
文体はブログでの発表に適した、改行を多く入れたもの
対他的な観察眼がもたらすシニカルなコメントも面白い
「そもそも、モテ話なぞというのは、いわゆるホラ話の一つであって、その内容の事実関係を突き詰めさえしなければ、当り障りの無い酒席に格好のテーマと言える。」
などという一言など、「あるある」と思わせられる

バックグラウンドを支える思想や理念もあるようで、物語を大きく展開させていこうとする意図を感じる
読者対象はやや、中年男性向けか
女性の動かし方が、男性特有のものといった印象がある
理想の女性像が投影されているのじゃないか
男性が描く女性は、女性が描く女性と異なるのは、否応無いことだろうか

たとえば三国志にアイディアを借りることなどもそうだが、男性は観念や、理念を先行させて創作を行なうことが多く、一方女性文学では、日常生活に出会う事物を、豊かな感覚で写し取ることが多いよう

「OL三国志」は、会社という労働の現場に焦点を合わせつつ、物語を大きく展開させていこうとする意図を感じさせて、興味深いブログ小説だ

ルソー『人間不平等起源論』 

不平等論―その起源と根拠 不平等論―その起源と根拠
ジャン=ジャック ルソー (2001/11)
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「自由」と「平等」が現代の国民国家制度成立に預かる重要なテーマ
あなたは「不平等」ということを気にしたことがあるだろうか?
身の周りに、なんらかの不平等を見つけたことがあるだろうか?


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