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ルソー『社会契約論』 

社会契約論 (岩波文庫) 社会契約論 (岩波文庫)
J.J. ルソー (1954/01)
岩波書店
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ルソー『社会契約論』(1762)に関するメモ。
 



○フランスにおける問題
・当時のフランスの社会的・政治的・思想的状況はどうであったのか。
・フランス革命に、どのような影響を及ぼし、どの点では実現されなかったのか。
・フランス革命の恐怖政治と本書は関係があるのか。
ルソーは、人権、平等において、どの点で革新的であったのか。

○用語と思想の整理
・「共和国」
フランス、ドイツ、中国、朝鮮等は共和制の国家。
日本は天皇制があるため共和制の国家ではないが、この点はどのていど気にするべきなのか。
・市民……主権に参加するもの
・臣民……国家の法律に服従するもの
・「主権者」とはなにか
・「一般意志」「団体意志」「特殊意志」とは
「一般意志」は公共の利益に服すが、「特殊意志」は個人的利益に走りうる。
自然状態……欲望の解放・動物的⇔社会状態……理性・知性による社会的統制
p.36「この状態において(松平注・社会状態)、彼は、自然から受けていた多くの利益をうしなうけれど、その代りにきわめて大きな利益を受けとるのであり、彼の能力はきたえられて発達し、彼の思想は広くなり、彼の感情は気高くなり、彼の魂の全体が高められる。もし、この新しい状態の悪用が、彼を、ぬけ出てきたもとの状態以下に堕落させるようなことがあまりなければ、もとの状態から彼を永遠に引きはなして、バカで劣等な動物から、知性あるもの、つまり人間たらしめたこの幸福な瞬間を、絶えず祝福するにちがいない。」

p.41該当部「この章とこの巻を終える当たって、あらゆる社会制度の基本として役立つことを一つ申し上げましょう。それは、社会契約とは、人々が生まれつき平等であることを否定するどころから、その反対に、自然が人類に課した肉体的な不平等の代わりに精神的な平等と法的な平等を与えるものなのです。つまり、人々は、腕力や知能では全員が平等でなくても、社会契約と法律によって全員が平等になれるのです。」(Tomokazu Hanafusa訳)
自然状態→肉体的な不平等
社会状態→平等

・「党」を廃することの問題は

・民主制、貴族制、君主制をそれぞれどのように定義しているか。
プラトン、アリストテレス、マキャベリの論とはどのように差異があり、どのような特徴があるか。

「民主政」の否定
ルソーが本書で言う民主政とは直接民主制のこと。
日本の議会制民主主義は「選挙制貴族政」。

・代議制をどう評価するか

p.133「主権は譲りわたされえない、これと同じ理由によって、主権は代表されない。」「人民の代議士は、だから一般意志の代表者ではないし、代表者たりえない。彼らは、人民の使用人でしかない。彼らは、何ひとつとして決定的な取りきめをなしえない。人民がみずから承認したものでない法律は、すべて無効であり、断じて法律ではない。イギリスの人民は自由だと思っているが、それは大まちがいだ。彼らが自由なのは、議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれるやいなやイギリス人民はドレイになり、無に帰してしまう。その自由な短い期間に、彼らが自由をどう使っているかみれば、自由を失うのも当然である。」

・統治形態と国家の形の適合関係はどうか
・大きい国家ほど民主制は向かない

・「社会契約」を発動させ、維持させるための定期的集会をどう評価するか

・行政官の選出には選挙と抽選がよい、としている。
どうしてか。
本当か。
→たぶん、自分がくじに当たったら、すごくいやがる気がする。
やりたい奴がやれよ、と逃げてしまう。
人間は、どこまで理性的になれ、自分の運命をくじ引きにまかせることができるものなのか。

・公開投票と秘密投票

・宗教と政治制度の問題
1多神教→政治と宗教の一致、宗教は政治制度の範囲を超えない→市民の宗教
2キリスト教は「人間の宗教」、主君と僧侶、二つの主権者が生まれる(→ホッブスとの影響関係は)
これなしには、近代的国家制度は成り立ちえない、という結論に、結びつくよう。
この点をどう評価するか。
3信心をしながら市民ではないようにする宗教、日本など(→本書の定義が曖昧)

○日本における問題
日本の政治制度へと、社会契約はどんなふうに受容されたのか。
どの点では受容がなされていないのか。
キリスト教の問題は。
(→福田恆存、呉智英らの問題提起は?)
中江兆民の自由民権運動との関係は。

○先行研究
ルソー『言語起源論』へのレヴィ=ストロース、デリダによる論はどうか。
・フーコーは。
・京大人文研『ルソー論集』、『ルソー研究』
・バーク「フランス革命の省察」
・トックヴィルの著作
・柄谷行人『トランス・クリティーク』
くじ引き制等、NAMで使われたアイディアの元には、本書と関わりがある。
活かせるところ、批判すべきところを、見つけることができるか。

○チェック
p.15「人間は自由なものとして生まれた、しかもいたるところで鎖につながれている。自分が他人の主人であると思っているようなものも、実はその人々以上にドレイなのだ。」
→「自由」の位置づけ方

p.16「家族はいわば、政治社会の最初のモデルである。」
→こういう考え方はいつから生じたのか、正しいのか。
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