ギデンズ『暴走する世界』 

暴走する世界―グローバリゼーションは何をどう変えるのか 暴走する世界―グローバリゼーションは何をどう変えるのか
アンソニー ギデンズ (2001/10)
ダイヤモンド社
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アンソニー・ギデンズ『暴走する世界―グローバリゼーションは何をどう変えるのか』

「グローバリゼーション」「リスク」「伝統」「家族」「民主主義」といったキーワードが章を分けて扱われている。
イギリスの社会学者ギデンズが、1999年に書いた著作。
入門的なエッセイ風の文体。


現在の社会はどのような状況に陥っているのか。
米ソ冷戦後、今の社会を、どのように分析すればよいか。
第一に、世界各国で、市場経済の浸透によりグローバリゼーションが進行している。
マクドナルドしかり、コカコーラしかり、グーグルしかり、アマゾンしかり。
第二に、それに対する反グローバリゼーションの運動がある。
ネットウヨクしかり、靖国参拝しかり。

第一のものと第二のもの、どちらが好きか?
そんな趣味判断はさておこう。
グローバリゼーションの動きというものは、どんどんと促進させていくべきものなのか。
反抗すべきものなのか。
市場経済は技術革新を繰り広げ、経済活動の回転を促す。
このとき、温暖化や化学薬品、狂牛病等、新しい技術の生み出した、今日的な危機に人々はさらされる。
地球規模での「リスク」や、個人的な商品使用における「リスク」が否応なく生じる。
これを管理する主体、責任を負うべき主体は誰なのか。

ある共同体がグローバリゼーションに直面する。
すると、それに抵抗するべく「伝統」の捏造が国家単位で生じる。
人は、他とは異なる「私」というものを創らざるをえない。
グローバリゼーションと伝統尊重は、切り離されて把握されるべきものではない。
グローバル化社会のなかでこそ、伝統が必要とされ、よりどころとされるのだ。
そして、伝統崇拝の裏には「普遍的な価値」や暴力への欲求が潜む。
この難題にどう向き合うか。

家族制度。
旧来の家族制度は緊密な共同体の倫理により成立していた。
共同体は解体し、個と個はバラバラにされた。
恋愛関係、親子関係、親友関係は「愛情」の名のもとに結び付けられる。
グローバリゼーションの進展とともに、生殖とセックスは切り離される。
伝統的家族が解体されたのち、人と人との関係はどのように存続しうるのか。
そのとき、「倫理」というものは、どのように保障されるのか。

ギデンズは、私達が直面する種々の問題をバランスが良く概観する。
文字が大きくシンプルで分かりやすい。
幅広い論点を扱い、考え甲斐のある一冊。
社会学について学んでみたい初心者にお薦め。
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