筒井康隆『文学部唯野教授』 

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸) 文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)
筒井 康隆 (2000/01)
岩波書店
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大学教授たちが学内政治に奔走する様を描いたドタバタ喜劇
立派な先生たちが、おしっこをもらす
何かあるとすぐ、失禁する
もらしすぎだ!
 


文学系の学科をこきおろしている
大学人によるマスコミへの偏見と、コンプレックスが、醜悪にポップに示される
どうやって大学内部で出世するのか
筒井版「大学教授になる方法」が知れる
情報として、気になるところもいろいろある
研究書や専門書は国からのお金で発行され、500部程度しか売れないとか

学者たちが内部工作に狂奔する様相は、面白くも恐ろしい
こええな、大学……
もちろん、筒井が、大学内部を本当には知らないからこそなるはったりが、多く含まれていそう

筒井の文体
言葉がうんと軽くされている
うんと過激にされている
内容から、言葉が浮き上がり、はなれ、深層的な構造を持たない
現実の体験と、関係のない言葉が自己増殖している
定型的な物語を、露骨に加速させることで、超常的な物語へと変える
寓話的でイロニカル

筒井の言葉は2ちゃんねる的言語に近いのかもしれない
からっぽで虚無的
いわゆる詩的なものでも純文学的でもない
近代的な個人も存在しない

全体の三分の一ほどは、文学理論のノートである
唯野教授による文芸批評講義が延々と続く
ホントに全部、参考文献読んだのー?
とは、ちょっと疑う
T.イーグルトン『文学とは何か』が下敷きになっているらしい

でも、勉強家ですね
筒井はフッサールに興味があったよう
ハイデガーを扱った部分も参考になった
文章のまとめ方の要領がよくて、初心者にもめっぽう分かりやすい

勉強への憧れや興味が多く見られる
しかし、バカをやることに徹する芸人意識を貫く
前半部に比べて、後半部ではやや余裕が失われているようだが
小説という形で、詩的でない滑稽な文体で、文学理論的なもの
大学的な勉強を扱うところこそが、筒井なのであろう
そういう美学も分からぬでもない
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