デリダ『アポリア』 

アポリア―死す 「真理の諸限界」を“で/相”待‐期する アポリア―死す 「真理の諸限界」を“で/相”待‐期する
ジャック デリダ (2000/05)
人文書院
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デリダ『アポリア―死す 「真理の諸限界」を“で/相”待‐期する』について

「死す「真理の諸限界」を“で/相”待‐期する」って、ちょっと、ひどいタイトルじゃないですか……?
わけわからん
デリダって、翻訳のせいもあるのだろうけれども、なんかこういファンタジックな言葉遣い、多いよな……

「アポリア」ってなに?
「死す」って誰が?
 
「真理の諸限界」って、どういうこと?
「真理」ってなに?
「諸限界」ということは限界がいくつかあるの?

「を“で/相”待‐期する」って、日本語じゃないよね……?
「を」と「で」のどっちなの?

「相」というのは、「一緒に」、ということ?
「誰」と「一緒に」なの?

「待‐期する」は「待機する」ではないわけ?

もう、この副題自体でほとんど理解不可能だと思うが

本文も、おおよそこういう文体で書かれているので読むのに苦労する




このタイトル、ハイデガー『存在と時間』の次の部分を、ドイツ語からフランス語に訳す過程で生まれた言葉のよう

「死は、そのつど現存在自身が引き受けなければならない一つの存在可能性である。死とともに、現存在自身は、己の最も固有な存在しうることにおいて、己れ自身に切迫している」

「己れ自身に切迫している」というところを、「「死」を相”待ー期する」と読み替えているらしい
人間は一瞬一瞬、死の前にいる
存在し続けることの、不可能性の可能性に向きあっている

「「死」を相”待ー期する」のうちの「相」というのはなにか
死後の世界には、みんなで一緒に行くものであったり、行くものでなかったり
死というものは文化的なものである
文化は、そういうフィクションを持つ
ある人と別の人が同時的に死ぬことは基本的にない
死んじゃった人はあの世で待っているかもしれないし
死んじゃった人のために、喪に服すかもしれないし
早めに死んで、恋人をあの世で待つかもしれない

人は、他人の死を観察することで「死」をいうものを知る
「死」は他人の死を通してのみえられる概念である

「私の死」というものは完全な謎である
「私の死」というのは経験不可能である
「私」というものは、一般的な名詞であり、また一方で、固有名詞でもある
「私」とは誰なのか?

デリダによれば、ハイデガーの『存在と時間』も歴史的な背景のなかにある
文化人類学的アプローチで、様々な文化との比較を行なえば、西洋哲学史の、存在と死の論理を、批判する立脚点もできるのだろう
デリダの現代的なところである

デリダのハイデガー論は、他に『精神について』がある
『精神について』は、ハイデガーのダメな部分を叩いたもの
あまり人に知られていないような、重箱の隅をつつくような批判の仕方だ
『アポリア』の方が、正面からハイデガーの『存在と時間』に向き合い、組み合って論じている感じだ

○本書の参考文献
ハイデガー『存在と時間』を読まないと、始まらない
時間系のアポリアの問題としては、アリストテレス『自然学』→カント『純粋理性批判』→ヘーゲル『精神現象学』
後半部は、アリエス『死と歴史─西欧中世から現代へ─』、トマの『死の人類学』など
フロイトの「喪」に関する論考、レヴィナスなんかも読んでみたい

○チェックポイント
・死には「形而上学性」がつきまとう
・カントとハイデガーは此岸にいるが、ヘーゲルは彼岸にいる
・終わりと目的とテロスと、時間と死は、相互にどのような関係にあるのか?
・アキレスが亀を追い越せないという論理の問題と、死の問題は結びつきうるのか
・人間は「死亡」するが動物は「死亡」しない、といいうる
・ハイデガーにとっては、動物は死なないが、デリダにとっては動物は死ぬ、といいうるのか
・アンチノミーとアポリアは、ほぼ同じものだといいうるのか

○「越える」

  此岸→彼岸
  「越える」……不可能性の可能性

ある文化→別の文化
  「越える」……死の形態が異なる、言語により規定される
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