ドラえもんとアンパンマンに関する試論 

  ドラえもん        

ドラえもん:コウイチ君、はい、タケコプター。

ドラえもん 体感タケコプター!~空とぶ大冒険~
ドラえもん 体感タケコプター!~空とぶ大冒険~

コウイチ:わあい、タケコプターだ!
空を自由に飛べるかな?ってオイ、これ、体感ゲームじゃないか!
こんな羽も回らないような貧相な道具、出さないでくれよ!




ドラえもん:コウイチ君、科学って、実にすごいものだよ。
でも、タケコプターの十数センチの羽で、身体を浮かせるほどの浮力を出すために、風を下へと吹きつけると、頭に空気の塊が直接にぶつかる。
その衝撃力は人間の頭部を破壊してしまうほどのものなのだ。

コウイチ:物騒な道具だな。
そんな殺人道具、金輪際ごめんだよ。
ドラえもん、ドラえもん、ドラえもん!
そんなことより、今日も学校でジャイアンにいじめられ、スネオにバカにされ、シズカちゃんに見向きもされなっかったよ!
ぼくはこれからの人生、どうやって生きていけばいいんだろう?

ドラえもん:コウイチ君。
きみは、29歳だろう。

コウイチ:今年で30歳だよ。

ドラえもん:君は実にだめなやつだな。
こどものころから空想ばかりしていて、結局ろくな大人にならなかった。
もう、どんな科学の力も、未来の技術も、君の人生を変えることは不可能だ。

コウイチ:えええ、ぼくは大人になったら、ばりばり働いて、富と名声を手に入れて、シズカちゃんと結婚するつもりだったのに!

ドラえもん:いや、もう、無理だよコウイチ君。
君はすでに十分なダメ大人だ。
もう救いようがない。
なので、ぼくはもう、未来に帰るよ。

コウイチ:ドラえもん、未来に帰っちゃうの!?
えええ、ショックだよー。
ぼくはこれからどうやって生きていけばいいの?
わあああん(´□`)。

 アンパンマン        

コウイチ:ドラえもんが立ち去ったと思ったら今度は君か。
何の用件なのかな?
ぼくには君にプレゼントできるドラ焼きはないぞ。
いや、アンパンがドラ焼きを食べたら共食いか。
しかし、ぼくの方でも君に、二、三尋ねたいことがあった。
ちょうどいい。
まあ、かけてくれ。

アンパンマン:ぼくの顔を食べなよ。

コウイチ:いや、ぼくは、君のその自己犠牲の精神を問題にしたいと思っていた。
そしてまた、ドラえもんに聞いてみたいと思っていたことを、聞き忘れていて、後悔もしていた。
果して、ドラえもんの頭は食べられるものなのかと。
中にはアンコがつまっているのじゃないかと。

しかし、おそらく、ドラえもんは、君よりは、ウォーズマンに近い。
中には機械が詰まっている。
食べなくてよかった。
ウォーズマン、あいつはなんなんだ?
ドラえもんがネコ型ロボットなら、あいつはクマ型ロボットか?
ウォーズマンは、「ベアクロー」とか出していたからな。

いや、そんな与太話はどうでもいいのだ。
君は共生という言葉を知っているか?
生物学の用語だが、今後の地球の行く末についてを考える上でも、重要なキーワードだろう。
ウィキペディアの「共生」の項には次のようにある。
「元々、生物学の中では、共生は種間関係の中でも特殊なものと考えられがちであった。
これは、世の中のものは、基本的には互いに競争関係にあるはずだという西欧科学の思想に基づくものだと思われる。」
「近年、実は、共生が生物の世界でかなり普遍的なものであり、生物の群集構造の中で大きな役割を果たしていることがわかってきた。」と。

共生!
美しい光景じゃないか。
中学生のころ、人類の存在を嫌悪したぼくは、生物学者になり、海洋生物の研究などをして、一生を過ごすことを願った。
こんな研究でもできれば、素晴らしい。
「共生」、美しい言葉だ。

しかし、良く考えてみる。
共生の関係にある二種の生物間には「愛情」なんてあるのか?
もちろん、そんなものはない!
互いを利用しあっているだけだ。
彼らが共生を行うのは、そのほうが互いにとって都合がよいからだ。
どんな美しい生物も、「自己の保存」のために他を手段として利用する。
生物は、もちろん、さまざまな神秘に満ち溢れ、その細部には神の御業を感じさせる。

一方で、生物の行動の一面には、「自己」の方向へと偏った、単純なものでもある。
そして、人間における悪と善の問題が、ぼくにとって気にかかり始めた。
ぼくが気になっていたのは、この世に無報酬の愛などないのではないかということだ。

エネルギー保存の法則と、等価交換こそが世界の真理だ。
そこで、待ちたまえ、「等価交換」とは何なのだ?
「使用価値」ではない、「交換価値」だ。
言語における価値、貨幣における価値、そしてその向こうにある、心にとっての価値とは一体、何なのだ?

ぼくはぼくの前に現れる、君たちのことを考える。
アンパンマン、君やドラえもんや、その他の様々な君の眷属たちのことだ。

君たちはどこからかやってくる。

そして、ぼくらのために、無報酬の労働をする。
君たちは、どんな見返りも求めはしない。
ぼくも子供のころ、君たちに憧れた。
あるとき、ぼくは気付いた。

本当に君たちは、それでいいのか?

アンパンマン。
君は、頭がもげても悪と闘い続ける。
毎週、君は物語りのラストで「アーンパンチ!」、と叫び、悪者を空の彼方に吹き飛ばす。

だが、その悪者は、次の回では平然と再登場する。
悪者にはなんの後悔も反省も見られない。
同じことは繰り返される。
なんの発展もない。

ドラえもんは、困った少年がいれば、未来の道具で助けてやる。
その少年は、科学の力で一時的に救われても、結局なんの成長もせず、ドジを繰り返してしまう。
なんの発展も見られない。それでも君たちは、ぼくらに奉仕し続けるのだ。

ドラえもん、彼のどこまでもはるかにやさしい母性には、互いに互いへと依存し会う、ずるずるべったりの、日本の無責任体制を感じさせる。

アンパンマン、君には、イエスのごとき自己犠牲と、他者への奉仕の気持ちが、そして、理性的なやり方ではない方式で、悪と闘い続ける精神が見透かされる。
君の顔は、あたかも、国家総動員体制で配給されるパンのようであり、その志は、あたかも日の丸特攻隊員のようだ。

アンパンマンよ、君たちのその精神は、一体、なんなのだ?
君にだって「心」があるはずだ。
本当は、自分の「心」をごまかしているのじゃないか?
君たちは、本当の心をぼくらに打ち明けず、嘘ばっかりついているのじゃないのか?

君たちは、イエス様でも気取っているのじゃないのか?
世界は回転し続けている。
「世界の始まり」の一突きを行ったのが、君たちだとでもいうのか?
そんなことは嘘だ。
他人のために生きることなど、面倒くさい、そんな「負の心」があるはずだ。

ドラえもんとアンパンマンに人権を!
そうでなければ、日本に「ヒューマニズム」が成立しているとはいえない。
そして、しかし、「人類史」には向かうべき正しき目的地とはないものなのか?
誰もが、自己保存を目的として、自己の快楽が最大になるよう振舞わざるをえないのか?

昨夜、ドラえもんがぼくに、愛想をつかして出て行った。
これは、「心」を持った存在として、当然のことだ。
ぼくは彼に依存していた。
しかし、実は、彼もぼくに依存していたのじゃないのか?
彼は、ぼくに対して、慈善事業をする自分に、酔っていたのじゃないのか?
ぼくは、ようやく、本当の人格が彼に芽生えたのだと、内心賛嘆したのだ。

彼もぼくのもとを去り、ようやく、ぼく離れができたということだ。
ああ、だが、しかし、この激しい喪失感は何なのだ!
胸の奥がかき乱される!
ドラえもん、ドラえもん!

アンパンマン!
君だって一緒だ!
君はぼくを裏切るんだ!
ドラえもんと一緒で、君はぼくを裏切るんだ!

……ちょっと、興奮しすぎたようだ。
ぼくばかりが話してしまって、すまなかった。
ぼくは、さまざまな人の、人生の告白を聞きたいと望んでいる。
君の正直な気持ちを聞かせておくれよ。

アンパンマン:
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
なんのために 生まれて なにをして 生きるのか
こたえられないなんて そんなのは いやだ!
今を生きる ことで 熱い こころ 燃える
だから 君は いくんだ ほほえんで
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
ああ アンパンマン やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため

なにが君の しあわせ なにをして よろこぶ
わからないまま おわる そんなのは いやだ!
忘れないで 夢を こぼさないで 涙
だから 君は とぶんだ どこまでも
そうだ おそれないで みんなのために
愛と 勇気だけが ともだちさ
ああ アンパンマン やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため

時は はやく すぎる 光る 星は 消える
だから 君は いくんだ ほほえんで
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび
たとえ どんな敵が あいてでも
ああ アンパンマン やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため
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