八代英輝『コンテンツビジネスによく効く著作権のツボ』 

コンテンツビジネスによく効く著作権のツボ コンテンツビジネスによく効く著作権のツボ
八代 英輝 (2006/04/08)
河出書房新社
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「著作権」とは何か。
そのような疑問を抱く初心者に向けた書である。
法律上の著作権の基礎知識を確認し、要領よくまとめ、コンテンツビジネスを行う上での注意点へと演繹して解説している。
弁護士が書いたというだけあって、いかにすれば法律をインターネット上で守ることが可能となるかを、折り目正しく追求している。
一般的なテーゼと具体例の提示において明晰であり、読みやすい。




「著作権」と「コンテンツビジネス」。
二つの組み合わせを題材としている。
「コンテンツ」という言葉が人々の耳目にのぼるようになったのも、インターネットの登場後のことだろう。
映像も、文字も、音声も、インターネットの世界では、デジタル化され、一律の情報へと還元されるようになった。
「コンテンツ」という言葉の意味を簡単にまとめると、「経済的価値のある情報」だと定義できるそうだ。

映画もテレビも音楽も書籍も。
以前は、それらのプロだけが参加できる閉ざされた空間で、「業界関係者」のみがそれらを制作し、流通経路を寡占していた。
しかし、インターネットの登場は、コンテンツの受信と発信のシステムに、風穴を開けてしまった。
コンテンツ産業は、今、最も勢いよく成長している産業である。
しかし、このコンテンツビジネスをコントロールする最大の存在が、「著作権法」である――。
本書を読むと、著作権や知財法の具体的な層をつかむことができる。
しかし、逆に疑問も生じる。
著作権とは本当に、守るべき法律なのか?
「著作権法」とは、現代のインターネット社会に、適応した法律なのか?
たとえばパロディの問題がある。
とある事件の最高裁判所判例によれば、パロディのための複製許容性は次のようなものだという。

1 引用して利用する側の著作物と引用される側とを明瞭に区別して認識することができること(明瞭区別性)
2 著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められること(附従性)
3 引用される側の著作者人格権を侵害しないこと


この基準に従って適法性を判断すれば、多くのブログや匿名掲示板で日常的に行われているパロディは、ほとんどが違法であると言えそうである。
この一点においてだけでも予想されることだ。
国家の法律と、インターネットにおける個人表現の戦いは、今後激化していくことになるのだろう。
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はじめまして。

ネットの性質からすると、クリエイティブ・コモンズのような考え方の方が自然なのかもしれませんね。

TBさせていただきました。
[ 2007/05/12 23:07 ] ぐら [ 編集 ]
どうもTBしていただきありがとうございます。
ぐらさんのブログ、ただいま少々拝読いたしました。
センスがよくて、頭脳明晰で真摯なサイトをお作りでいらっしゃいますね。
クリエイティブ・コモンズについての考察は、今後深めて行きたいです。
どうぞ今後とも、お気軽によろしくお願いいたします。
[ 2007/05/13 22:20 ] 松平耕一 [ 編集 ]
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