津野海太郎編『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』 

徹底活用「オンライン書店」の誘惑 徹底活用「オンライン書店」の誘惑
津野 海太郎 (1998/12)
晶文社
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津野海太郎編『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』(1998/12、晶文社)を読んだ。
オンライン書店の利用法と、サイト紹介を本格的にまとめた日本初の書とのこと。
1998年の本であるため、情報は古い。
日本版アマゾンが登場していない段階でのものである。


のっけから、アメリカのアマゾンやバーンズ&ノーブルなどの「オンライン書店」の紹介が何ページも続く。
アメリカでは、こんなに進んだことが行われているのだ、ということが驚きの満ちたエッセイ風の文体で語られ、そのなかでシステム分析もなされている。
1998年の段階での「最新」情報は、9年後の今からすると、大分古い。
日本でオンライン書店のビジネス展開がなされることを睨んでいて、そこに焦点を合わせた構成がなされている。
アマゾン等のサイトマップなどが載せられており、その点プロ向けである。
サイト構築のシステムを知りたい人に、参考になるだろう。
また、本書は専門書にも強い。
マニアックな絶版本や洋書を手に入れることはかつて難しかった。
海外のオンラインショップ、国内のもの、品切本、絶版本、手に入れにくい洋書、専門書等へのアプローチの仕方、手に入れ方等まで、サイト別にわけられて、丁寧に解説されている。
多くのサイトが紹介されていて、情報に富んでいる。

ところで、「オンライン書店」で今私が検索をかけると、次のようなサイトが上位に来る。

「オンライン書店比較サイト 本屋のリンク」

このサイト、「オンライン書店比較」「古本屋さん比較」「電子書籍」「書評のサイト集」「作家のサイト集」等といったページがある。
Web上で、本にまつわることに取り組む上で、たいへん役立つリンクが集められている。
文字情報も必要十分なまでそぎ落とされていて、目に優しく、問題点がつかみやすい。
欲しい情報、欲しいサイトへのアクセスがしやすい。
模範的ないいサイトだ。

さて、ここで疑問である。
「オンライン書店比較サイト 本屋のリンク」と、書籍である「徹底活用「オンライン書店」の誘惑」の間には、どのような差異があるのだろうか?
「本屋のリンク」の方が、はるかに多くの人に読まれ、利用されている。
要点がまとまっている。
情報が速く、新しい。
リンクからリンクへと飛んでいくと、情報量が無限にあり、不安になる。

一方、「「オンライン書店」の誘惑」は、多くのプロの作家や学者の手により書かれた書籍である。
文章のレベルが高く、デジタルな状況分析に加えて、人間的なぬくもりもある。
情報量が有限であり、読みはじめと読み終わりの時間が存在する。
専門的な分析に長け、中見出し、小見出しも極めてよく練られている。
ただし、サイトの衰亡は著しいため、ここに載せられた情報が信頼に足るものか疑わしい。

書籍よりサイトの方がはるかに、寄せられる情報は速いと言えそうだ。
だが、書籍におけるコンテンツのレベルの高さは魅力ではある。
情報が古び、使い棄てられていくのはむなしい。
サイトと書籍のいたちごっこは続くのだろう。

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