東浩紀、大澤真幸『自由を考える―9・11以降の現代思想』 

自由を考える―9・11以降の現代思想 (NHKブックス)自由を考える―9・11以降の現代思想 (NHKブックス)
(2003/05/01)
東 浩紀、大澤 真幸 他

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○東の「確率」
『存在論的郵便論的』のキーワードは「確率」である
「確率」は「否定神学」に対抗するものとして登場している
九鬼周造に『偶然性の問題』という本があった
アリストテレスの『自然学』などに言及しつつ、「偶然」の種類について分析する
どうも、マルクス主義における「必然性」「必然の王国」に対して、「偶然性」を考察し、アンチテーゼとしているのではないかと想像された
東が「確率」というとき、試みとしては九鬼と近い立場にいそうである
中身が似ているかどうかは知らぬが

実存的主体に対抗する概念としての、「確率」
・「偶然的な「私」、いつ他者になってしまうかもしれない存在としての「私」です。私を「私」にする主体的な刻印、ラカン風に言えば「トレ・ユネール(一なる刻印)」が刻まれた「私」だけではなく、その裏側に、いつもつねにすでに誰かと交換可能になっているような存在、弱い受動的な「私」がある。ぼくはこれを確率的な状態と呼んでいる。そしてそれこそが、僕の考えでは、デリダがあえて単独性と固有性を分けるとき、固有性に対立するものとしての単独性として考えていたものなのです」

☆東・大澤による歴史観
○前近代
死を支配する権力

○近代―規律訓練型権力
神がいなくなり、管理のネットワークの時代に代わる
生を支配する権力
内面的な法の形成、学校教育、人間の主体化、生権力

○ポストモダン―環境管理型権力
ネットワーク、ユビキタス・コンピューティング、マクドナルドで、硬い椅子を設置することにより客を追い払う例、遺伝子診断、自動改札機(疑問符がつく)、テロをする自由(疑問符がつく)、プロファイリング、アマゾンの図書推薦システム
多様な価値観を共存させるが、家畜の管理に似る
制御性に覆われた世界に出来事性をいかに導入するか

○東の「動物化」
「超越論的な欲望の次元が消え失せ、欲求―満足の経験論的回路に閉じこもること」

○アレント
アレント『人間の条件』における「アクション」の領域、人間性の領域が、動物性の領域に飲み込まれてしまったのが、ポストモダン社会らしい

→アレントは、
1労働
2仕事
3活動
という風に人間の行為を三つに分け、1より2、2より3が人間的に素晴らしい行為だと論じている
1より2、2より3が、「言語」と深くかかわる、と大澤は述べ、同一の要素はハイデガーの思想にもあるとし、対照させている
1より2、2より3が素晴らしい
という前提に、私としては疑いを持つ
『人間の条件』の後書きで、アレントは、炊事が嫌で、そういった労働をしているときに思いついたのだ、などと言っていた
それでいいのかな……

○大澤の確定記述
「たとえば誰かを愛するというときに、彼女は身長が高いから低いから、顔がかわいいから、性格がかわいいからという理由で愛するとすると、これは、彼女の属性、哲学の言葉で言えば「確定記述」を根拠に愛するということです。「相手が……の属性をもっているから」愛するという」ことであり、「「固有名」で愛することとは違う」
固有名の本性は、長い間記述説が有効であった
固有名は、データベース的な記述の束に還元できる、と
これに対し、クリプキは可能世界を想定することで反駁した
固有名には、記述に還元できない余剰――訂正可能性という余剰――がある、と
・固有性(自分でしかありえない私)と偶有性(他者であったかもしれない私)

○「第三者の審級」は弱体化した(→?)
ほんとかあ?

○チェック
ボードリヤール
ドゥルーズ『記号と事件』
ジョージ・リッツァ『マクドナルド化する社会』
フーコー『監獄の誕生』、『性の歴史』
ローレンス・レッシング『CODE』
アガンベン『アウシュビッツの残りもの』、『ホモ・サケル』
カントローヴィチ『王の二つの身体』
加藤典洋『ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ』
柄谷行人『探究』
クリプキ『名指しと必然性』
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>どうも、マルクス主義における「必然性」「必然の王国」に対して、「偶然性」を考察し、アンチテーゼとしているのではないかと想像された

当のマルクスは彼の学位論文「エピクロスとデモクリトスにおける自然哲学の差異」において偏差=偶然性の問題を扱っている。

講談社学術文庫版「マルクスその可能性の中心」p17
「人間の『自由』や『主体性』を、アプリオリに前提するかわりに、自然の『偏差』においてみようとする視点である。おそらく、この時期のマルクスには、『自由』や『主体性』を確保することが課題だったであろう。」
[ 2007/09/28 16:41 ] 木棚 [ 編集 ]
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