07th Expansion『ひぐらしのなく頃に』
『ひぐらしのなく頃に』の漫画版・アニメ版をざっと鑑賞
PC版をやってないので何ともいえないところだが、軽くメモをとっておく
○同人によるゲーム制作
「ひぐらし」は同人ゲーム
当初はコミックマーケット、インターネット上の公式サイトのみで公開、販売された
Web掲示板を中心に人気が上昇し、ドラマCD、漫画、アニメ、一般のゲーム機への移植、単行本化もなされる
会社によるものでない、同人によりつくられたPCソフトがもととなっているということで、商売のやり方、流行の導き方の点で特殊なケースである
Webの特性が生かされて、大きなムーブメントをつくりだした
「小説として出さなかったからこそ儲かった」という、イロニカルな逆説がありそうだ
普通の「小説」と、どのように異なり、どのように同一であるのか
○サウンドノベル
『弟切草』『かまいたちの夜』等のコンピュータゲームが開拓したジャンルであるサウンドノベル
読者の作業は、「テキストを読む」ことであるが、テキストには画像と音楽が付される
「ひぐらし」はプレイする側の自由意志は介在せず、分岐点がない
核となるのは「テキストを読む」ことであり、この点で実質的に「小説」だといえるのではないか
しかし、「小説」とは異なる売り出し方が、大きな成功を呼ぶ上で、明暗を分けていそうである
○「ゲーム世界」というからくりの使い方
「ひぐらし」は繰り返しの物語
1登場人物
2ある年の、ある日に焦点がある
3場所
同一時間、同一空間である、一つの舞台を別々のストーリーで何度も描く
パラレルワールドを幾層にも連ね、物語世界に深みをもたせる
しかし、完全なパラレルワールドではなく、登場人物に記憶が残ることで、徐々に話が解決されていく
残虐なバッドエンドから始まり、少しずつ問題が解消されていくよう
ストーリーの複数性ということ、パラレルワールドが内に含まれるということでは、『かまいたちの夜』のようなサウンドノベル、『ときめきメモリアル』のようなギャルゲーにも同じ要素があった
それらのゲームは、多くの可能世界をゲーム内に持ち、同じ時間、同じ場所の設定であるが、何度も別々のストーリーをプレイできるようになっている
「ひぐらし」は、ゲーム的な可能世界を縦に連ねて、一つの物語へとまとめている
○「挑発」としての「謎」の作り方
たとえば、三島、太宰、漱石における「謎」と、ひぐらしにおける「謎」の差異はどのようなものか
データベースの形式としての、差異について
私小説的なリアリズムとゲーム的なリアリズムの差異はどうか
・ライトノベル
「ひぐらし」の基本は、ライトノベル+ミステリ+ホラー+SF
ラノベ特有のリアリズムの在り方をどう評価するか
ラノベにおけるリアリズムと、純文学のリアリズムの差異をどう評価するか
○殺人
仲の良い友達を殺してしまうというストーリーが起点
ディスコミュニケーションが傷害事件を引き起こす
何でもないような「誤解」が、心のすれ違いとなり、虐殺をもたらす
ニッコリ笑いながら、悪意を裏に持つ
そういったような、恐ろしさを他者に感じる
ある人物内、ある社会内に宿る、やさしさと残酷さの「二面性」がポイントである
「負」の対象が、どこに集中化されるのかということ
他者への過度の期待という問題もありそうだ
共依存やダブルバインド等
精神病的要素が文学的に表現されていないだろうか
疑心暗鬼の心情描写に特徴がある
・精神病
恐怖症、脅迫障害、PTSD等の症状を思わせる表現があちこちに
強姦やDV等が課題として挙げられている
・「死」の扱い方をどう評価するか
○ミステリとして
・クリスティ『オリエント急行殺人事件』『そして誰もいなくなった』
○エンタメとして
荒唐無稽でひどいところがある
ひどさも、ヒットの一因か
○殺人の理由
殺人を引き起こす理由
1寄生虫による特殊な風土病が、精神病的な症状を招くという、SF的設定
小野不由美『屍鬼』→ウィルスにより暴力的な症状が出るということ、その結果、村をまることつぶしてしまうストーリー等で類似している
2村落共同体による圧力
横溝正史風
3国家によるもの
周りの友達とのディスコミュニケーションを解消する
村落共同体内部でのディスコミュニケーションを解消する
国家側に立つ人物とのディスコミュニケーションを解消する
という3段階を踏んでいくことで、殺人を防ぐというお話
・村民運動
この人、運動に興味があるようで村民運動的な描写がある
でも実際の運動体験はなさそう
リアリティがない
・コミュニケーションの重要性が全編のテーマであるみたい
ディスコミュによる関係性の破綻から始まり、徐々に話し合う相手のレベルがあがっていく
しかし、全体としてコミュニケーションが成立していくごとにつまらなくなる
むしろ、作者は、他人とあまりコミュニケーションをしたことがないのじゃないかと疑われる
○オタクにとって「萌え」とは何か
・言語的問題
キャラクターのしゃべり方がギャルゲー的
「ですのよ」「ですわ」「なのです」「みー」「にぱー」
そんな風にしゃべる女、いないだろう
アホか
しかし、そういう言い回しが一定数の指示を得るのはどうしてなのか
また、一定数の反発を得るのはどうしてなのか
・絵
「萌え絵」をどう評価するか
実際の異性との差異をどう評価するか
ロリペド趣味をどう評価するか
○「残虐」と「萌え」
『ひぐらし』『新世紀エヴァンゲリオン』『ぼくらの』『撲殺天使ドクロちゃん』等
「残虐」と「萌え」をマッチさせる手法が現代的な流行としてある
「萌え」の対象が現実には存在しないものであること
そのことが、逆説的に、「死」や「残虐性」を、作品のオプションとして、呼び寄せているのではないか
・「死の欲動」の問題
○中2病性
学生生活を何度も何度も、永遠に楽しみたいという希望が背景にありそうである
「中学2年生のある夏の思い出」
そのような短い期間に粘着し、執拗に描くということ
作者にとって、その「期間」こそが「生きられた時間」だったのではないか
しかし、その「期間」を描いている「現在」、執筆のみに費やされる「現在」は「死んでいる時間」ではないのか
そして、学生生活を緻密に描くという作業は、ラノベの定番である
・『死霊』『神聖喜劇』にも、「ある短い青春の一時期」を綿密に描くという特徴がある
ラノベのものとの差異はどこにあるのか
○変なところでこだわりがある
・選挙にちゃんと行こう
・退職金をえるのは大変だ。きちんと働こう
等のお説教がある
○世界文芸史の中で、どのように位置づけられるのか
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http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/1577/
人民新聞
http://www.jimmin.com/木棚環樹松本哉『貧乏人の逆襲! タダで生きる方法』西成の歩き方西成の歩き方
http://osakadeep.info/282.shtm木棚環樹松本哉『貧乏人の逆襲! タダで生きる方法』生田武志生田武志HP
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/
フリーターズフリーhttp://www.freetersfree.org/
野宿者ネットワーク
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/network.htm
木棚環樹松本哉『貧乏人の逆襲! タダで生きる方法』だめ連だめ連公式HP
http://www.ne.jp/asahi/r/s/dameren/
神長恒一BLOG
http://d.hatena.ne.jp/kaminaga/
ラジオ・フリーダム
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だ木棚環樹