フーコー、渡辺守章『哲学の舞台』 

『哲学の舞台』増補改訂版『哲学の舞台』増補改訂版
(2007/05/23)
ミシェル・フーコー、渡辺 守章 他

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本書は
フーコーと渡辺の対談
フーコーによる日本での講演
・渡辺の解説
からなる
フーコーが、日本の読者に向けて分かりやすく自己の思想を語っている
「西洋的には前提」といったようなことにも反省が加えられていて、良い本である

しかし、フーコーやドゥルーズにある「精神分析学」への批判って、日本ではあんまり意味がなくないか?
だって、日本には、「主体」も「精神分析学」も「キリスト教」もないんだから
という疑いもありますけれども
いかがなんですか?
フロイト、フーコー、ドゥルーズなどの性欲論って、日本ではどの程度あてはまるのか
世界的に見て、セクシュアリテとは何なのか
などという点がおおいに気になります

フーコー
p.23 フーコーが興味を持つのは、「永遠なるもの」ではなくて「事件」
p.28 「ある種のヘーゲル哲学的・マルクス主義的歴史の概念がどのようにベルクソン哲学的な時間の特権視=空間の無視によって中継されているか」
p.30 中世では追放の刑が盛ん
p.35 構造主義は相異なる多様な時間を出現させた
p.50 デカルトからサルトルまで、主体は根底的な何物かであると考えられてきた
フロイト、ラカン、バタイユ、ブランショ、クロソウスキーはこれを解体した
p.70 性的行動の異常と精神疾患の関係は十九世紀になって主張されたものであり、それはブルジョワ的家族道徳の規範と密接な関係を持つ
フロイトにおける「神経症」の見分け方とは「神経症患者は、第一に働くことができず、第二に、正常な性的行動がなし得ない人間である」

渡辺守章
p.80 セクシュアリテ(性的欲望・性の領域)が成立するのは、性の真理こそ人間にとっての真理に他ならず、それは言説化されねばならない、という思想を前提とした
セクシュアリテを成立させ展開させているのは、「言説の秩序」であり、十九世紀に拡大した
p.87 告白においては告白する者が権力を握っているのではなく、言説化をそそのかす側にある。また、告白においては、そこに産出される真理は、「主体の学」の根拠となる
p.106 東洋的な「性愛の術」と西洋における倫理は対照的である
西洋における「解放すべき欲望」という考え方は、セクシュアリテの一構成要素であり、キリスト教の司教規律と良心の検討が他と区別して取り出したものである。それはキリスト教の告解の規律から精神分析に至る、自分自身の無意識の読解の中心を成すものであり、そのような「欲望」を中核に、自分自身についての意識、「主観性」が形成された

フーコー
p.122 フロイトが出発点としたのは「ヒステリー」
ヒステリーとは、自己の過去あるいは、自己の身体を忘却すること、あるいは認識しないこと
フロイトは、これを、主体による自己の欲望の忘却ないし否認だと考えた
これが精神分析の出発点となった
p.127 なぜ西洋人は、性についての真実を知ることのみを心がけて、その快楽を高めることを試みなかったのか
p.130 一夫一婦制を強制し、性に生殖の機能だけを認め、性的快楽に価値を認めない
そのような文化を作ったのはキリスト教である
という説は、実は間違いである。ローマ世界にそれらの習慣はすでに存在していた
しかし、キリスト教は、そこに、「新しい技術」を導入したのである
それが、<牧人=司祭制>の権力である
p.137 その権力は、移動する多様な構成員に働きかけ、権力者側の自己犠牲を旨とし、個人を対象とするものである
<牧人=司祭制>において生きる個人は、自らを救う義務がある
<牧人=司祭制>においては、各個人のなかに「真理」が産出され、この「真理」が羊と羊飼いを結びつける絆となる
p.155 権力の行使を哲学が組織化する。
たとえば、ナポレオン帝国と、ルソーをはじめとする十八世紀フランスのイデオローグ、プロイセン国家とヘーゲル、ヒトラーとニーチェ、ソ連とマルクス
p.176 個人が主観性という形で自己と持つ関係は、実は権力の関係なのではないかと問うべきである
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