萱野稔人『権力の読みかた』 

権力の読みかた―状況と理論権力の読みかた―状況と理論
(2007/07)
萱野 稔人

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○本書に掲載された論文「フーコーの方法――権力・知・言説」はドゥルーズの『フーコー』を解説したものである

176・知と権力の関係を言説的実践と非言説的実践の関係として考える注釈者はおおい
フーコーは言説と権力を対にして議論を展開することがときどきある
フーコーは、知と権力を対にして議論を展開しているわけではない

176-177「……知を言説的実践として、権力を非言説的実践としてとらえる発想は、全面的には支持されえない。というのも、知はたんなる言説的実践ではないからだ。ドゥルーズが的確に述べているように、知は言説的実践(言表)と非言説的実践(可視性)との組み合わせによって形成される。知の編成を言説的なレベルにだけ限定して考えることはできないのだ。」

178「実践は、それが言説的なものであれ非言説的なものであれ、なんらかの関係のもとではじめてなりたつ。権力とは、その関係がくみたてられ再設定されるときの作用であり、またそこで定立される力の関係である。これにたいし、知は、その力の関係にもとづきながら、そこで働いている戦略的合理性をまとめあげ形式化する。そしてそれによって、諸関係をくみたてる権力の作用を価値づけ、方向づけるのだ。」

179「言説は、知と権力という二つの実践にともにかかわり、両者の協働を体現する」
180「知と権力は言説をつうじてむすびつくことでひとつの編成システムをな」し、社会を作り上げる

191「言説の実践をつうじて編成される諸関係のなかには、病院などの制度的な場所や、司法制度、経済的プロセスなどといった非言説的な要素もふくまれる」が、「それら非言説的な要素と言説のあいだのつながりは直接的なものだ。」

207「どれほど月並みで反復されたものであれ、また、どれほど特異で例外的にみえるものであれ、実践は特定の諸関係を実現しながら、すなわち一定の規則性(諸条件)をともないながら展開される。たとえ逆説的に聞こえようとも、言説の編成においては、一般法則がなりたたないからこそ、規則性は不規則性に対立しないのだ。ある実践の規則性に対立するのは、不規則性ではなく、べつの実践の規則性である。」

208「歴史の分析においても同じことがいえる。歴史のなかで起こる編成規則の変換や切断は、けっして連続的なものにたいする非合理的なものの闖入などではない。変換や切断は、連続性の事実にくらべて説明不可能で根拠のない出来事なのではない。それらが非合理的に見えるとすれば、それは、連続的なものを編成システムにおける正常な基礎として想定してしまっているからだ。」

213「……力の関係をくみたてる権力が、施設をつうじて子供を監督する可視性のレベルと、それを教育という機能として定式化していく言表可能性のレベルのもとで、知の形態として実現されるのである。」

214「……権力は点とその力の配分によって定められた微分的な関係にかかわり、知はそれらの点をむすびつけ、ひとつの線分へと統合=積分することで形態を出現される。」
216言表は可視性、見ることを拘束する
パイプの絵の下に「これはパイプではない」と書かれたマグリットの作品のように

218ドゥルーズは「質的な差異をうみだし、その関係をなりたたせる差異化の運動が世界を構成している」と把握する
『ベルグソンの哲学』では、差異の原理をふたつの要素の一方に求め、『フーコー』ではふたつの要素とは別の第三の要素に求めた


言表→権力←可視性……社会を編成する装置
   ↑↑
   外の力(権力から区別された力の次元)……世界を構成する原理


○余談、茅野氏の「生‐権力」概念への疑義

フーコーは、規律権力が生‐権力へと変化していくことに権力のあり方の展開を見ている
しかし、茅野稔人(としひと)の状況分析によれば、現代の国際社会は「生‐権力」が衰えていることが問題、とのこと
86「……後者(生‐権力のこと、引用者注)の意味でのセキュリティは、現在どんどん低下している。労働環境の〈第三世界〉化によって住民の生存条件はますます悪化しているうえに、頼みの綱の社会保障予算も縮小されているからだ……」

生‐権力が強すぎることが問題なのか、弱すぎることが問題なのか
国と時代状況、どの地域のことであるかにより変わることもありそうだ
一概にとらえることは難しそうである
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