田中ロミオ『人類は衰退しました』『人類は衰退しました2』 

人類は衰退しました (ガガガ文庫 た 1-1)人類は衰退しました (ガガガ文庫 た 1-1)
(2007/05/24)
田中 ロミオ

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人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)
(2007/12/19)
田中 ロミオ

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<人類は衰退しました

<私はご飯を食べません

<私は妖精さんです

<私は死にません

■■■■■

・高名なエロゲライターの書いたライトノベル

・メルヘン的な少女趣味のある人向けの童話風の小説。大きく見れば、若草物語、赤毛のアンなどといったジュブナイル小説といくらか近いのだが、まあ、全然違うものではある。それらがリアリズムを重視した「スイーツ」系文学だと仮に呼べるとする。この小説は「ジャンクスイーツ」とでもいった感じ。文章は丁寧だが、描写に過度に筆を割かない。寓喩性、暗喩性、象徴性が高く、改行・会話が多い

・ちょっとSF、ちょっとファンタジー

・人類の滅亡しかかった世界で送る、ほのぼのとしたたそがれの生活。設定はそれなりに手が込んでいる

・エスプリの効いた会話

・頭にお花の咲いた脱力系の不思議ちゃん女の子が、のらくらする童話風のストーリー。やわらかで温かみのある話なのだが、しかし、裏がある。性的なくすぐりやブラックなものが少々ほのめかされている。2巻まででは、それが全面化することがない。もっと出てこないと、他者がいない感じでよくないかもしれない

・現代的なジャーゴンを多用し、また、ポストモダン系の言語観、思想、時間感覚等がちらちらと開陳されている

・明瞭な起承転結のあるプロットが組まれているわけではなく、その点で肩透かしを食わされるところもある。世界観の仕掛けが先行していて、幻想的なムードのなかでぐだぐだと話を進めていくことを可能にしている

・『不思議の国のアリス』みたいな物語は、コバルト文庫でしばしば見かけた。そちら系である。田中ロミオの生い立ちは、「私は男です。しかし、コバルト文庫を読みますが何か?」というパターンだったのじゃないか? コバルト文庫的なものを少年文化に輸入してできたのがライトノベルだ、ということも指摘されるが、そういう面も確かにあるのだろう。しかし、洗練されている

・コバルト文庫は、小学校の図書館に置いてあった気がする。ラノベは置かれうるのか?

・SF性、ファンタジー性を利用した「ユートピア」論、「自然状態」論がいくらか含まれている。「人間」とは何なのか?
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>・コバルト文庫は、小学校の図書館に置いてあった気がする。ラノベは置かれうるのか?

高校の図書館には入ってますね。
http://www.sakurai-hs.ed.jp/chiiki/tosho/sinchaku.htm
[ 2008/01/26 11:39 ] 木棚環樹 [ 編集 ]
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