東浩紀を左翼にしてみました 

東浩紀の二ヶ国語ブログ

東浩紀が、「『動物化するポストモダン』仏訳出版に併せて、日仏対訳のブログを運営する」とのこと(東浩紀の渦状言論

・こちらがそのブログ「SAYSIDON - le Japon lu par la France
同じページの左の部分にフランス語が、右の部分に日本語がのせて、東が自己紹介を行っている

・こういう試みはとても面白い。日本語と外国語を併記したページを作ることを、文芸系の人間が率先してやるべきだとぼくは以前にも主張したことがある。東さんがまたやってくれました

・上記のブログの内容としては以下のものが気になった

○東によるフランス人への自己紹介

「(5)アーティスト、映画関係、知識人などに親しいひとはいますか。

 同世代では、社会学者の北田暁大やマンガ家の西島大介、マンガ評論家の伊藤剛、建築学者の森川嘉一郎たちと、近い関係にあるとみなされています。個人的な交流はありませんが、小説家の舞城王太郎に深い関心を抱いています。この作家の小説については、『動物化するポストモダン』の続篇にあたる『ゲーム的リアリズムの誕生』でも、大きく取り上げています。
 ひとつ上の世代では、社会学者の大澤真幸、精神科医の斎藤環と交流があります。読者のなかでは、ぼくの名前は、社会学者の宮台真司、評論家兼マンガ原作者の大塚英志などと較べられることが多いようです。
 ほかにも、オタク関係では多くのひとの影響を受け、多くのひとに注目していますが、その名前はフランスではなかなか参照しにくいと思いますので、ここでは挙げません。」

・東は、自分をどんなふうな思想史的な関係に位置づけているのか? 同じ質問でも、日本人に聞かれたときと、外国人に聞かれたときとで、答え方の変化しそうだ。東の交友関係で、国際的な自己紹介で名前を挙げられるメンバーはこれらの人なのですね

・外国人に対し、これは観たほうがよいとか、これは読んだ方が良いとすすめられる日本文化、日本文芸、日本の知識人の著作って、どんなものがあるのかな、と反省させられるのである

・また、批評空間派の名前が挙げられていないのも興味深い

○東派は左翼を否定する

また上記ブログでは、左翼を否定してもいる

「(6)あなたの周辺に、あなたを中心に世代的な現象があると思いますか。

 二重の意味であります。

 ひとつは、狭義の??新聞や論壇誌などにおける??論壇での現象です。ここ数年、日本の思想界では、ぼくとほぼ同年代の書き手が急速に現れています。その立場や主張も多様です。団塊ジュニア世代は、数年のうちに、思想界でひとつのまとまりと見なされるようになるでしょう。
 ぼく自身、同じ年齢の北田暁大とともに、この春に新しい思想誌「思想地図」を創刊します。その雑誌も、新しい「世代」の中心と見なされるはずです。

 もうひとつは、広義の??ブログや自費出版などを含む??論壇での現象です。上述のように、『動物化するポストモダン』は、思想的な言説とサブカルチャー分析を結びつけた先駆的な書物と見なされています。したがって、いまでは、この本の枠組みをもとにして、最新のオタク文化の分析を行う評論がネットや自費出版の世界でかなり多く現れています。
 東浩紀という名前は(このように自分で記すと日本では反発があるでしょうが)、彼らのなかでは象徴的な名前になっています。近年は、若い世代の書き手から、東浩紀批判が寄せられ、それに対して再批判が展開されるような光景も見られるようになりました。そのように、いまの日本では??少なくともブログでは??、ぼくの名前を(賛同であれ反発であれ)中心にして、「ポストモダン的認識を踏まえたうえで、オタク的、ネット的現象に注目して日本社会について語る」一派が生まれつつあると言えます。
 ただし、その人数は多くはありませんし、いまだ狭義の論壇には影響を与えていません。その点では、まだ無視できるていどの存在です。ですが、ぼく自身は注目しています。

 なお、それらの現象が「政治的」にどのようなイデオロギーを支持するのか、その分析はとても難しいので、ここではあえて語らないことにします。ひとつ言えるのは、上記の両者は、ともに、従来の意味ではもはや??残念ながら???左翼的な立場を取らないだろう、ということです。」

・1 新聞や論壇 2 ネットや自費出版 にて、新しい東派が登場しつつある。しかしそれらは、「左翼的な立場を取らない」のだと東は言っている。おい、まじかよ! 左翼、いねーのかよ!

○東と『フリーターズフリー』

・また、東は大澤信亮と鼎談したらしい

「『論座』の次号で、佐々木敦氏、大澤信亮氏と鼎談しています。大澤氏とは初対面です。『思想地図』対『フリーターズフリー』、批評派対運動派のアングルになるのかと思えば、まったくそういうことはなく、鼎談後は快調に飲みに行きました。」(もろもろ告知

・『フリーターズフリー』派も、東派に取り込まれてしまったりするのだろうか?

○杉田俊介の東批判

・しかし、一方で、『フリーターズフリー』派の一人、杉田俊介は、自己のブログで、東派への不信感をあらわに、こんなことを書いてもいる

「まあ、そういう現実の葛藤や複雑さや機微を知らないで、東さん・宮台さん・北田さんとかイッショウケンメイ読んでお勉強中の人たちって、こういうわかりやすい図式(実存vs環境、古さvs新しさ)に誘導されて、東さんの議論に――ちょこっと批判したり修正したり違和感をぐだぐだ述べたりしつつ――取り込まれてしまうんだろうなあ…」

○感想

・東は、左翼をしばしば批判する。しかし、そもそも「左翼」であるとはどういうことなのか

・たとえば、自著を外国で発行しようとする。また、外国語と日本語の両方を併記したブログを書こうとする。こういった東の行為は、国際的に開かれてあろうとする態度である。そこには、外部と向き合い自己を試す、「左翼的」な感性が見いだせはしないか? 

・外部へと、突き抜けてあり、閉塞した組織のなかへ、他者の声を流入させていこうとする態度。それをつらぬくことにこそ、本来的な左翼性があるのではないか? これをやることのできない大学人や文学者は、左翼を自称していたとしても、ただの偽物であったりする。既得権益を搾取する共同体主義や、スターリン的な独裁こそが、憎むべき悪政である

・東は、その言説内容においては非左翼的である。しかし、その行為におけるパフォーマンスは、良質な左翼のようにみえることもある。「ゼロアカ道場」の企画にしろ、田中和生との対談にしろ、東における「保守的な制度」と闘う身振りのなかには、左翼的な実存を見出すことができる

・左翼的であるためには、もちろん、杉田のように、マイノリティ運動を実践することも大切であろう。また、東的な身振りをもって、国際的に通用するよう、自己の思索を高めていくことも評価されるべきことかもしれない

・東派が、保守的な大学や文芸誌の制度を攻撃し、席巻していくことはいいことだ。革命的であり、素晴らしい

・一方で、Webでの論調が東一色に染まっていくのだとしたら退屈だ。杉田などをはじめとした、左翼系ブログ論壇が構築され、東批判の輪が広げられてくことが望ましいのである
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