『探偵小説のクリティカル・ターン』――現代日本に批評家は必要なのか? 

探偵小説のクリティカル・ターン探偵小説のクリティカル・ターン
(2008/01)
笠井 潔

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・2008年1月発行『探偵小説のクリティカル・ターン』を流し読み

・ゼロ年代の「探偵小説」を扱った評論集、笠井潔と、若手の批評家からなる「限界小説研究会」の評論集

・この時点で、論じている「小説」の点でも、論者たちの若さの点でも、ゼロ年代の文学を扱った「批評」として、日本における最新・最速のものか

・この本を、大学の先生たちは「日本文学」の「研究書」としてとらえうる視点を持ちうるのだろうか? 

○福嶋亮大「構造を擬態する―西尾維新論」

西尾維新って、『クビシメロマンチスト』を二日だか三日だかで書いちゃったという話なんかを聞くにつけても、まぎれもなく天才だと思う
こんな文体で小説を書けちゃうのかと感心する
読んでいると、文体の点で影響を受けてしまう気がする
大衆文学としてスゴイ
でも、ホントにそこまで全面化しちゃっていいのか?
『刀語』とか悲惨だろう
自慰的なところがある気がするし

○渡邉大輔「ファンタジー・プラグマティズム・見立て―辻村深月論」

ファンタジーって、そんなにすごいものなの?

○蔓葉信博「トリック・スタイル―北山猛邦論」

なんだこりゃ

○渡邉大輔「How to do things with MAPs or unconsciousness.―米澤穂信論」

ヘーゲルとかラカンとかキットラーとか、そこらへんのカタカナがちょくちょく登場していて、ガチで優秀な人なのだなーと思う
でも、読みは深いのか?
風聞の意見を寄せあわせていないか?
細部の理論は詰められていないのじゃないですかー? などと少々疑う

○蔓葉信博「プロット・スタイル―道尾秀介論」

報告としては参考になりました

○前島賢『ひぐらしのなく頃に』の二つの顔―竜騎士07論

東浩紀の手のひらでダンスしている感じ

○飯田一史「ほんとうの出雲―桜庭一樹論」

桜庭のおおよその傾向を見抜き、指摘できていそう

○モナドロギーからみた“涼宮ハルヒの消失”―谷川流論

「ハルヒ」ってエンタメとしては一流だと思うけれども、文学としては二流じゃないですか?

○小森健太郎「サバイバル・ゲームと本格ミステリの融合―矢野龍王論」

なんだこりゃ

○小森健太郎「一九九六年以降の探偵小説ジャンル新人の輩出と動向」

狭い分野の話をさらに狭く区切って話をしていて、研究論文風なのかもしれないが「批評」としてはつまらない

○渡邉大輔「小説分析の地殻変動―『ファウスト』と文学的想像力」

なんだこりゃ

○蔓葉信博「ライトノベルミステリの輪郭」

軽い

○笠井潔「批評をめぐる諸問題ーーおわりに」

本書で一番興味をもって読めた「批評」
笠井が批評家不要論について触れている
いや、そんなことはない批評は必要だ、と評論の擁護をおこなっている

・魂が、震えるほどビート!

みたいな文章が読みたい
ぼくはそれを「小説」にも「批評」にも求める
「文学」というのは、「生き方」だと思うし

「これぞ文学」みたいなものを提示してほしいのだが
いまいち、頭に残らなかった
探偵小説って、面白いの?
探偵小説の批評って、必要なの?

成功した批評は成功した小説より面白いが、失敗した批評は失敗した小説よりつまらない

そこらへんのことから、批評家不要論が出てきていそうだし
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