岩淵慶一『マルクスの疎外論―その適切な理解のために』 

マルクスの疎外論―その適切な理解のために マルクスの疎外論―その適切な理解のために
岩淵 慶一 (2007/03)
時潮社
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岩淵慶一『マルクスの疎外論―その適切な理解のために』を斜め読みする。
2007年刊行。
マルクスにおける「疎外論」の問題を扱う。
初期マルクスの文章である『経済学・哲学草稿』の中心概念である疎外論は、『資本論』にいたるまで「切断」などされておらず、マルクスにおいてもっとも大切な論であるとのこと。



なるほど。
東欧社会主義圏が崩壊し、共産主義の理想の忘れられた二十一世紀の今であるからこそあえて、労働疎外の問題をとりわけ重視して取り組まなければいけない。
ということならぼくも認める。
「労働」は、人によっては、辛いものだ。
「自分」というものを上司や会社や資本に剥奪された、苦しいものであるかもしれない。
そこから解放される手段があるとすれば、素晴らしいことじゃないか。
なになに、それで?
今村仁司、アルチュセール、廣松渉は、「スターリン主義的」だ。
へえ、そうなのかな。
人のことをスターリン主義的だ、というレッテルを貼って批判するのはどうなんだろう。
マルクス主義って、なんか怖い。
たとえばね。
ニーチェは神が好きで好きで、仕方がない人みたい。
でも、自分は神が嫌いなのだと言って通すところに、親近感を感じる。
カントは、なるほど、信仰心溢れる人なのかもしれない。
だが、天然で神の首を切り落としてしまったかのような、「撲殺天使カントちゃん」みたいなイメージがある。
カントはイケてる。
しかし、マルクスを語る人はしばしば、マルクスや、それを語る自分が、神であるかのよう。
どこか黒いオーラを感じる。
疎外論について知りたくて本書を読もうとしたが、本文にちゃんと集中することができず、目は活字を滑るばかりであった。

ぼくはぼんやりと別のことを考えていた。
というのも、さっき、ブログにチャットツールをつけようとしたのである。
チャットはほとんどまったくやったことがない。
あちこちいじって、チャットツールを設置できたように思った。
説明書はまったく見ようとせず、探そうともしなかった。
とりあえず、ボタンを押してみる。
そしたら、ババっと、会議場みたいなものが開いた。
なんだここ?
説明書を探して戸惑っていると、人が登場し、話しかけてきた。
ぼくのイメージだと、ぼくのブログを読んでいる人とのみ話せるようにするつもりだった。
自分のブログとはまったく関係ないところで、会話の場が設けられてしまった。
ギョッとした。
しかし、話しかけられて、即座に逃げ出すのもよくないと思い、ヘドモドしながら応対する。
女性であった。
18歳であった。
関西人であった。
風俗嬢であった。

――セックスはどのくらいの時間をかけるん。
――この前は2時間くらいでしたね。
――長いね、そんなに何するん?
――遅漏なんですよ、普通はどのくらいなんですか?
――30分くらいかな、フーゾクでは。
――あんまり長いと疲れますよね。
――そやな。

なるほど、チャットって、こういう場だったのか。
初めて知った。
面白いな。
ぼくは18、19のころ、風俗嬢になりたいと思っていた。
人の快楽に奉仕する労働を行いたかった。
でもまあ、いろいろ大変なのかな。
男なので、ならなかった。

ぼくの脳内には、ときどき、異性の像が浮かぶ。
それは、ぼくの方に近づいてくる。
ずっと近づいてきて、ぼくと融合したかのように感じる。
そしてある瞬間に、ふっと、消えてしまう。
ぼくは異性の像を忘れる。
しかし、しばらくたつと、やはり遠くに、異性の像が再び現れるのだ。
そして、それは、はるかに遠くにある。
風俗で働けば、この狂おしさが解決されるのではないかと考えていた。
しかし、ぼくにとってのこの異性の像とは、「他者」であるのか。
それとも「他者」とは、もっと広いものなのか。
「他者」はぼくの中にいるのか。
ぼくと異性の像と、その二つのもの以外の場所にも、「他者」はいるのか。

岩淵慶一『マルクスの疎外論―その適切な理解のために』は装丁の美しい本であった。
誤字が少しあり、気になった。

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[ 2015/02/11 18:09 ] [ 編集 ]
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