桜井秀勲『イロハからわかる編集者入門』 

イロハからわかる編集者入門―今日からすぐ役に立つ基礎の基礎 イロハからわかる編集者入門―今日からすぐ役に立つ基礎の基礎
桜井 秀勲 (2003/02)
編書房
この商品の詳細を見る


桜井秀勲『イロハからわかる編集者入門―今日からすぐ役に立つ基礎の基礎』を読む。
「女性自身」「微笑」編集長を歴任した桜井秀勲による編集者入門書。
エッセイ風のやさしい語り口で、学生向きに、業界の全体的な見取り図を提示してくれているらしい。
文章はシンプルだが題材の設定において視野が広く、バランスが良くて危なげない。



就職試験の受け方から、記事の書き方まで、様々なことをアドバイスする。
金、(利益)、女(男)、スキャンダル(噂話)の三つが雑誌の原点だとか。
記事執筆において、一番重要な言葉は二度繰り返して書けとか、実践的なことも。

しかし、私がもっともインパクトを受けたのは次のようなところ。
「女性だったら頭と体の両方を使え」と小見出しにある。

……テレビ局では、愛、恋、不倫、エッチ、セックスといった言葉はもちろんのこと、「やらせろ」とか「イッちゃうわよ」といった言葉が、仕事の合間に笑いながら話されます。出版でも、ことに雑誌編集部は人間そのものを扱うところだけに、テレビ局と同じように、生々しい話題が平気で話されます。まずこのことをマスコミ希望の女性は心得ておくこと。カマトトではやっていけません。


誘われれば与えるものを与えてもいいでしょう。しかしそのとき、こちらはそれだけのトクをとることです。小娘のような態度では、到底この社会では生き延びられません。


つまらない同級生とエッチしても、空しいだけですが、編集者になれる可能性があるチャンスであれば、空しいとはいい切れません。使えるものをフルに活用するのが、マスコミの世界です。


教育関係者や公務員、新聞社からしたら、びっくりするような発言だな。
文体は慇懃であり、教え諭す軟らかな文体である。
しかし、女性は仕事のためにどんどん寝技を使え、という内容。
ははあ。
「いかに」「何を」伝えるかという面での、文体と内容のギャップが一つには面白い。
道徳的なのだか不道徳的なのか意味不明なところも、えもいわれぬオーラをかもし出している。
学校教育にでも盛り込めばどうだー?
もっと寝技を!
あっは!
公的位置にある人は道徳的に潔癖であることが望まれる。
一方、雑誌というものは、セクシュアルなものや、欲望、欲求というものが前面に出ることもあるのだろう。
この一節は印象に残った。

それから、「カッパ・ブックス」創始者の神谷晴夫の金言集もいくつかチェックしておこう。

(一)誰もほめないときに、まっ先にほめろ
(二)敵陣に乗りこんで、対象にぶつかれ。小ものを相手にするな
(三)真似されるものをつくれ
(六)必要なムダをつくれ。人間も本も雑誌も、それがなければ魅力がない
(九)実用性、物語性だけでなく、扇動性も備えよ


なかなかいいセリフだな。
戦争みたいだ。
戦略性の高い仕事は、人をワクワクさせるものがある。
スポンサーサイト
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://literaryspace.blog101.fc2.com/tb.php/45-0a394b73

意見に賛成かどうかは別として、この本、激しく読みたくなったなぁ。桜井秀勲『イロハからわかる編集者入門』(文芸空間)しかし、私がもっともインパクトを受けたのは次のようなところ。「女性だったら頭と体の両方を使え」と小見出しにある。……テレビ局では、愛、恋、不
プロフィール

松平耕一

Author:松平耕一
○twitter登録名:matudaira
○ツイッターまとめ:http://twilog.org/matudaira
○Facebook登録名:松平耕一

☆文芸空間社企画
◎批評放送
・批評放送は松平のプロデュースする動画配信企画です。ツイキャス http://twitcasting.tv/matudaira 、youtubeなどで配信されます
批評放送@USTREAM

○松平耕一・文芸空間社・批評放送へのカンパ振り込み先は
・三菱東京UFJ銀行の吉祥寺支店普通口座1896022 マツダイラ コウイチ 宛になります

管理者ページ

FC2カウンター
ツイッター@matudaira
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
全記事(数)表示
全タイトルを表示
カテゴリー


  1. 無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。