R.E.S.(2) 

ここにぼくの部屋の写真がある。
ある冬の日の朝である。
時刻は七時頃である。
空は明るくなっている。
天気は曇りである。
悪い夢を見て、眼を覚ましたところだ。


窓を題材とした写真である。
写真にはさまざまな小物が写っている。
逆行になっていて、小物はすべて黒いシルエットで包まれている。
M_Photo_v003_j.jpg

出窓。
カーテン。
窓に立てかけられた鏡。
吊り下げられた小物入れ。
金属の骨格でできた棚。
ひげそりが置かれている。
CDボックスは青く透き通る。
積み重ねられた本。
ペットボトル。
コップ。
栄養剤。
他にもいろいろとごちゃごちゃしたもの。
手前には椅子がある。

ぼくはこの写真にあるそれぞれの小物の来歴を語ることができる。
色彩と形状と重さはどうであるか。
元の値段はいくらのものであるか。
いつそこに置かれたか。
どのように使っているか。
ぼくにとってどのような位置にあるものか。
好きか嫌いか。
それに対してどんな印象を持っているか。

ぼくは『枕草子』の物づくしの章段を超えて、ジョイスの『ユリシーズ』なみに写実的に、この朝の印象を語ることができる。
感覚器官が受け取る外界のすべての物体について科学的に記述し、心理へと喚起するイメージを写し取ることもできる。

この生活の中にぼくがいる。

ぼくを形作っているものは、この写真へと代表されたものたちによってであり、この部屋をぼくへと与えた、環境による。

そのため、上記の内容を描写した文章は、ぼくというものの在り方を、読み手に伝えることとなりそうだ。
しかし、それは「本当のぼく」を伝えきれるものではない。
そして、そのような文章を書くことには多大な労力が必要だ。

ぼくにとっての外界を、文書へと移し、他人へと伝える。

それをすることで、どんなメリットがあるのだろうか?
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