『蒲団』と恋愛 

「男の恋」の文学史 「男の恋」の文学史
小谷野 敦 (1997/12)
朝日新聞社
この商品の詳細を見る

とある学校では、田山花袋の『蒲団』を読み、いろいろな人の意見を聞き、まとめる研究をしているらしい。

「時雄と芳子の間に恋愛感情があったかどうか」がテーマであるとのこと。
松平さん、どうお考えになりますか?
とご質問をいただいた。
以下のように回答した。




「時雄と芳子の間に恋愛感情があったかどうか」ですか?
その場合、「恋愛」という言葉の定義が問題になると思います。

1 時雄にとって芳子はどういう対象であると作中でなされているか。
芳子にとって時雄はどういう対象であると作中でなされているか。
事実を書き抜き確認する。

2 恋愛とは何か。
現代における恋愛とは何か。
明治における恋愛とは何であったか。

この二つの段階を踏んで、論じる必要があるのでしょう。

小谷野敦『<男の恋>の文学史』あたりを参考文献にするのがいいでしょう。



などと、テキトーに答えた。
「時雄と芳子の間に恋愛感情があったかどうか」
よくよく考えてみれば答えるのに面倒くさい問題。

『蒲団』についての研究をまとめている学生さんたちは、どう評価していたのか?
逆に質問した。

田山花袋の『蒲団』。
これを読んだ方たちのほとんどは、時雄と芳子の間に恋愛感情はない、と答えていたらしい。

なるほど。
時雄が芳子に一方的にハアハア言っている感じだしなあ。
奥さんもちのいい年をしたオヤジが、若い女の子に萌え萌えしている。
「性欲がごおっ」みたいな感じだし。

そもそも、時雄は、誰でもいいのじゃないか?
道で会う女性教師と結婚したい。
などという欲望が、最初の方で語られてもいるし。

そんな描写を見ると、「恋愛」っぽくない、といったところ。


しかし、「恋愛」ってそもそもなんだろう?

小谷野敦が上記の本で『新明解国語辞典』の、概念規定を話題にしていたと思う。
『新明解』には以下のような項目がある。

れんあい【恋愛】 
 特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。(第5版)



出来るなら肉体的な一体感も得たい」と考えながら、「常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと」が「恋愛」であるのだそうだ。

時雄の芳子に対する気持ちは、「恋愛感情」なのでしょうか?
皆さんは、この件について、どうお考えになります?





質問 『蒲団』において、時雄と芳子の間に恋愛感情があったかどうか


あった

なかった

時雄の芳子への恋愛感情があった

芳子の時雄への恋愛感情があった

時雄の芳子への性欲があった

芳子の時雄への性欲があった

よくわからない





結果


過去の投票


FC2ID




スポンサーサイト
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

松平耕一

Author:松平耕一
○twitter登録名:matudaira
○ツイッターまとめ:http://twilog.org/matudaira
○Facebook登録名:松平耕一

☆文芸空間社企画
◎批評放送
・批評放送は松平のプロデュースする動画配信企画です。ツイキャス http://twitcasting.tv/matudaira 、youtubeなどで配信されます
批評放送@USTREAM

○松平耕一・文芸空間社・批評放送へのカンパ振り込み先は
・三菱東京UFJ銀行の吉祥寺支店普通口座1896022 マツダイラ コウイチ 宛になります

管理者ページ

FC2カウンター
ツイッター@matudaira
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
全記事(数)表示
全タイトルを表示
カテゴリー


  1. 無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。